2016-01-01から1年間の記事一覧

最後の将軍徳川慶喜の苦悩10 国際環境の悪化と借款の不調

初めに 四国公使への兵庫開港の宣言と勅許取得は将軍慶喜の大きな政治的成功であった。しかし、政治とは儘ならないもので、皮肉にもこの6月6日の国内布告を境として、慶喜の政治的立場は急速に悪化していくのであった。 まずフランスの対外政策の変化とそ…

最後の将軍徳川慶喜の苦悩9  兵庫開港布告と勅許取得③

一、四候の京都集合 1、 西郷・大久保らを中心とする薩摩藩士の工作で、有力諸侯(薩摩・島津久光、伊予宇和島・伊達宗城、福井越前・松平春嶽、土佐・山内容堂)が京に集合した。容堂が入京したのが慶応3年5月1日なので、4人揃ったのは5月になってか…

最後の将軍徳川慶喜の苦悩 8 兵庫開港布告と勅許取得②

兵庫開港をめぐる薩摩藩士の対抗策 小松帯刀・西郷吉之助・大久保一蔵らを中心とする反幕派の有力薩摩藩士達(以下省略して「薩摩」という)は、兵庫開港問題こそ幕末最大の政局になることを早くから見通し、様々な対抗策を打ってきた。以下、それを述べてみ…