ジネット・ヌブーが弾くブラームスのバイオリン協奏曲

数年前、フィリップスのCDを何気なく買った。聴いてみると何となんと素晴らしいではないか。
ブラームスのこの曲、よく言えばクール、何度も噛まないと味が出てこない。以前、味も素っ気もない、と言ったらファンに怒られた。私は決して嫌いではないが、メンデルスゾーンのように、甘美な曲ではない。
 しかし、である。このヌブーのブラームス、熱気がほとばしり出ているのである。こんなに情熱的に弾けるのか?とにかく驚きであった。音が悪い。しかもなんだかドラム缶が倒れるような雑音が入る。1948年の録音なので仕方があるまい。
  これを聴くとオイストラッフの名演奏も凡庸に聞こえてしまう程素晴らしい。興味のある方は、一度聴いてみて下さい。返す返すも、彼女の夭折は惜しまれますね。